タンクローリーの運転手が、さびれたラーメン屋の美しい未亡人に惹かれるまま、そのラーメン屋を町一番の店にするまでを、奇想天外の食物がらみのエピソードを混ぜて描く。
脚本、監督は伊丹十三、撮影は田村正毅がそれぞれ担当。
出演:山崎努、宮本信子、役所広司、渡辺謙ほか
- Amazon : タンポポ (1985)
- Prime video : タンポポ (1985)
- YouTube : タンポポ (1985)
タンポポ (1985)のストーリー
雨の降る夜、タンクローリーの運転手、ゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)は、ふらりと来々軒というさびれたラーメン屋に入った。店内には、ピスケンという図体の大きい男(安岡力也)とその子分達がいてゴローと乱闘になる。ケガをしたゴローは、店の女主人タンポポ(宮本信子)に介抱された。彼女は夫亡き後、ターボーというひとり息子を抱えて店を切盛りしている。ゴローとガンのラーメンの味が今一つの言葉に、タンポポは二人の弟子にしてくれと頼み込む。そして、マラソンなど体力作り、他の店の視察と特訓が始まった。タンポポは他の店のスープの味を盗んだりするが、なかなかうまくいかない。ゴローはそんな彼女を、食通の乞食集団と一緒にいるセンセイという人物(加藤嘉)に会わせた。それを近くのホテルの窓から、白服の男(役所広司)が情婦と共に見ている。“来々軒”はゴローの提案で、“タンポポ”と名を替えることになった。ある日、ゴロー、タンポポ、ガン、センセイの四人は、そば屋で餅を喉につまらせた老人を救けた。老人は富豪で、彼らは御礼にとスッポン料理と老人の運転手、ショーヘイ(桜金造)が作ったラーメンをごちそうになる。ラーメンの味は抜群で、ショーヘイも“タンポポ”を町一番の店にする協力者となった。ある日、ゴローはピスケンに声をかけられ、一対一で勝負した後、ピスケンも彼らの仲間に加わり、店の内装を担当することになった。ゴローとタンポポは互いに魅かれあうものを感じていた。一方、白服の男が何者かに撃たれる。血だらけになって倒れた彼のもとに情婦が駆けつけるが、男は息をひきとった。--やがて、タンポポの努力が実り、ゴロー達が彼女の作ったラーメンを「この味だ」という日が来た。店の改装も終わり、“タンポポ”にはお客が詰めかけ、行列が続いた。ゴローはタンクローリーに乗ってガンと共に去っていく。
この記事へのコメントはありません。